本稿では、家族(家庭)のあり方について、家族に対する日本人の思いや、求めるモノなどを解説します。
日本人は、果たして、家族団欒(団らん)を求めているのでしょうか?
先人の知恵も紹介しますので、最後までご覧ください。
「家族のあり方」をテーマに次のポイントでまとめました。
家族の形やあり方について、考えるきっかけになれば幸いです。
本稿では、上記の「4」について紹介しています。
家族の大切さ(家族団欒(団らん)は必要か?)
皆さんは、日本人の家族に対する意識が、どの程度のものなのか、知っていますか?
統計数理研究所(日本の統計研究の中心機関)が、5年おきに実施している国民性調査(20歳以上が対象)があり、「一番大切なものは何か?」に対する回答は、次のような結果がでています。
この結果によれば、「一番大切なものは、家族である」と回答した割合が、最も多くなっています。
その割合は、近年、5割弱にも上り、他の「愛情」や「健康」などと比べ、大きく差があります。
上図にはありませんが、1980年代では、「家族」と答えた割合は3割程度でしたが、近年、急激に増加しています。
日本人の多くの人が、「家族」は、かけがえのない存在だと位置づけていることを立証しています。
家族に求めるモノ(家族団欒(団らん)は必要か?)
日本人が、家族に求めている役割は何なのか?について、内閣府が毎年実施している「国民生活に関する世論調査」(20歳以上が対象)の結果をみてみましょう。
最も多い回答が、「家族の団欒(団らん)の場」としての役割で、全体の約65%となっており、次いで、「休息・やすらぎの場」、「家族の絆を強める場」の順となっています。
日本人は、家族が集まって、仲良く談笑する家族団欒(団らん)や休息・やすらぎを求めていて、「安心」「心の支え」を望んでいることがわかります。
家族と子どもの会話(家族団欒(団らん)は必要か?)
ここでは、家族と子どもが、実際、どのような会話をしているのか紹介したいと思います。
思春期の男女824名を対象に、「普段、家族とどんな会話をしているか?」について調査した研究結果があります。
約7~8割の子どもは、毎日の学校の出来事と、ニュースや最近の話題などの世間話について、家族と会話をしているようです。
しかし、悩み事に関しては、思春期で親に話すことが恥ずかしいのか、親にあまり相談していない結果となっています。
小さな悩みであれば、子供自ら、解決できるかもしれませんが、重大な悩みや苦悩の場合、自分では解決できず、親にも相談できない。そんな不安な状態の子どもが、少なからず存在するということです。
そのため、普段から家族団欒(団らん)を楽しむなど、相談しやすい環境を築いてあげることが必要になってきます。
先人の知恵(家族団欒(団らん)は必要か?)
過去の偉人たちが、家族についてどのように考え、その存在を捉えてきたのか、紹介します。
やっぱり、先人の知恵は、どれも納得できる言葉です。
人を選ぶとき、家族を大切にしている人は間違いない。仁者に敵なし。私は人を使うときには、知恵の多い人より人情に厚い人を選んで採用している。
渋沢栄一
子供にとって家族は「世界そのもの」であり、親から愛されなければ生きていけない。そのための命がけの戦略が、そのまま性格の形成につながるのだ。
アルフレッド・アドラー
子供の態度は家庭そのものです。その家庭を知りたかったら、子供を観察すればすぐわかります。
ジョセフ・マーフィー
愛は家庭に住まうものなんですよ。子どもを愛し、家庭を愛していれば、何も持っていなくても、しあわせになれるのですよ。
マザー・テレサ
家の美風その箇条は様々なる中にも、最も大切なるは家族団らん、相互にかくすことなき一時なり。
訳:各家庭には、それぞれ良い習わしがあるが、最も大切なのは「家族の団欒(団らん)」である。お互い隠し事をしない和やかな家族が一番である。
福沢諭吉
以上、家族に対する日本人の思いや求めるモノについて、紹介しました。
本稿をご覧になって、家族のあり方について、考えるきっかけになれば幸いです。