日本は安全大国だ。治安世界一。など呑気なことは言っていられない。
リスク管理という言葉があるとおり、危険はいつも近くに潜んでいる。
恐怖・恐れが生じる前に、事前の対策を検討することが賢明だ。
そこで、家庭の中に、恐怖・恐れが入り込まないように、『愛妻家(私)の思考』として、妻の「恐怖・恐れ」について考えたいと思う。
わたしのためにタ食の支度をして待っていてくれる女性がどこかにいたら、わたしは才能のすべてを投げすてても悔いはない。
イワン・セルゲーエヴィチ・ツルゲーネフ(19世紀ロシアの小説家)
恐怖とは? ~愛妻家の思考~
愛妻家として妻の恐怖を早急に取り除く作戦を立案しなければならないが、まずは対象を分析してみようと思う。
恐怖・恐れとは、何か。それは
・自分の身に危険が迫った時に感じるもの
「恐怖・恐れ」に似た感情に、「不安・心配」があるが、心理学者スタンレイ・ラックマンによれば、これら2つには、大きな違いがあるとされている。
- 恐怖・恐れ は、対象が明確で何に対して恐怖を感じているのか分かっている状態である。
- 不安・心配 は、対象が必ずしも明確ではなく漠然とし、曖昧な状態であるとされている。
また、恐怖・恐れは対象がはっきりしている分、その原因を取り除けば恐怖から解放され、克服することができる。
人は恐怖を抱くと、恐怖から逃げてしまいがちだが、逃げてばかりでは、恐怖心がより大きくなるだけで根本的な問題解決にはならない。
もし恐怖を克服したいのであれば、怖いながらも少しずつでも恐怖に近づき、「見慣れる」「やり慣れる」ことが必要だ。
「慣れ」には、非常識を常識へ、非日常を日常へ、一時的を慢性的へ変えてくれる不思議な力がある。
今回は、妻の恐怖について考えることにするが、不安・心配についても、別記事「【愛妻家の思考】不安・心配とは?妻が不安を感じていたら?」で考えてみる。
愛妻家(夫)がすべきこと ~妻の恐怖・恐れ~
では、愛妻家(夫)として何ができるのだろうか。
妻が恐怖を感じているのであれば、衝撃的で恐ろしい出来事が起こった(起こる)ということになる。
もしかしたら、人生の岐路に立たされるほどの大事かもしれない。
この恐怖・恐れが、トラウマとなって将来つきまとわれる可能性もある。
恐怖の原因を正確に把握し、(1)それを克服していくのか、はたまた、(2)対象から物理的な距離をとり続け、恐怖に二度と遭遇しない(つきまとわれない)ようにするのか。しっかり考えなくてはならない。
まず、愛すべき妻が何に恐怖しているのか、聴いてみる。
恐怖は、実際に起こっている事実に対して感じるものであり、言葉で正確に伝えることができるだろう。
ここで、恐怖・恐れは、一般的に何に対して感じるものなのか調べてみようと思う。
全国の男女約1万人に調査した結果では、男女ともに、1位は「地震」、2位「人間」という回答であった。(ネットリサーチ「ディムスドライブ」調べ)
水害、地震、火災などの「天災」は、日本人であれば、絶対に避けられない「恐怖」だろう。
そして、2位の「人間」という存在は、本能で行動する動物よりも高度な知能を持っている分、たちが悪く利己的に行動し同種の人類をも排除し、さらには自身の住処である地球(自然)を破壊している。
天災
「天災」への恐怖・恐れには、どう対処すべきだろうか。
もちろん、克服できるような代物ではなく、天災からの被害を最小限に抑える方法を考えるしかない。
住む場所について言えば、「河川、海、山の近くに住まない」「地震が多い場所に住まない」を考慮する必要がある。
幸いにも、私が住んでいる場所(岡山県)は、地震が少なく将来に発生すると言われる南海トラフ巨大地震の被害も少ないとされている。
そして、海、山は近くになく安心して暮らせる場所だ。住まいは2階なので、河川氾濫による浸水リスクも少ない。
火災については、「火元には十分注意する」ことで、限りなく危機を抑えることができる。
天災への恐怖については、妻とともに、浸水ハザードマップ、地震発生予測資料、災害時の避難場所を確認し、まずは事実(現状)を知ることが大切である。
気にしなくて良いもの。気にしなければならないものを区分し、正しく理解する。
そして、防災グッズや気象情報等の情報収集など日頃から出来ることに取り組んでいくことが必要だ。
人間
次に、「人間」への恐怖・恐れであるが、天災以上に、難しい問題である。
恐怖の対象が、友人なのか職場の人間なのか、それとも全く知らない者(例えば、泥棒や、ネット上の不特定人物など)なのか、色々と想定される。
妻の場合、可能性がないと思うが、友人や職場関係で、陰湿ないじめのようなものを受けているかもしれない。
まず、愛すべき妻には、独りではなく私という絶対的な味方がついている。ということを伝え、安心感を持ってもらわないといけない。これがはじめの一歩である。
それから、具体的な対処方法を考えていこう。
友人・職場
「友人」の場合は、物理的に会わないようにすることが得策だろう。
そして、LINEブロック、着信拒否を行う。
ただ、長年の友人であれば、一時的な出来事に対して恐怖しているかもしれないし、妻本人も、一度の出来事で決別するという選択肢も考えていないかもしれない。
なので、冷静になって出来事を考察し時間をかけながら、友人との関係を修復することにしよう。
「職場」関係の場合は、上司、同僚からのパワハラやモラハラなどがあるかもしれない。
出来事によっては、私が直接、会社に抗議することもありえるだろう。
また、職場を辞めることも一つの選択肢と考える必要がある。
最悪の場合、裁判に発展してしまえば時間と労力がかかり、心身ともに疲弊してしまう。
以上、友人と職場関係について述べたが、
幸いにも、私の妻は素晴らしい友人と、優しい職場の人間に囲まれているため、私は人間関係による恐怖については、あまり心配していない。(決めつけてはいけないので、状況の変化は注視する)
面識のない者
一方で、全く知らない者(例えば、泥棒や、ネット上の不特定人物など)への恐怖においては、少々ややこしいだろう。
特定できない者であるがゆえに、相手に注意することも訴えることもできない。
いつ、再度の被害を受けるかわからない状況である。
まずは、夫である私がいつもそばにいて全力で守る。という意志を伝え、安心してもらうことが不可欠である。
そして例えば、「泥棒」の場合であれば、警察への通報、大家への報告を行った上で、どのような防犯対策が必要か考えなくてはならない。
よく、一度泥棒に入られた家は、二度入られると言われており、万全の対策が必要だ。
防犯カメラ、二重窓、防犯ガラス、警報ベル、二重ロック、高性能の鍵、センサー付きライト、警備委託などの対策を複合的に装備する必要がある。
お金が許せば、家の転居も対策の候補に入れておきたい。
次に、「ネット上の不特定人物」の場合は、アドレス・アカウントの変更、ブロック機能の使用により、回避することができるだろう。
特定のサイト上での嫌がらせであれば、サイト管理者への通報、行政団体への相談を行うことが必要だ。
(「行政相談」総務省の相談窓口ホームページ)
車
最後に、妻の恐怖・恐れに関して、上述の「天災」「人間」以外に考えなくてはいけないものがある。
それは、車の運転に対する恐怖である。
妻は、私と結婚してから車の免許を取得したため、初心者であり運転が不得意なのだ。
毎週、運転の練習をしているが、運転に対する恐怖が大きいようだ。
対処方法については、「運転に慣れる」「体調を考え、無理をしない」「道路状況によっては運転しない」「上達したら褒める」がある。
これらは、今も、継続中の対策である。
「運転に慣れる」では、文字どおり、ひたすら運転の練習を行い、慣れることだ。
これが、一番重要だと思う。
「体調を考え、無理をしない」では、初心者の場合は、運転する際、必要以上に力が入り、疲れやすい。そのため、疲れたら運転を交代するなり、休憩することが大切だ。
「道路状況によっては運転しない」では、普段通らない狭い道や山道の場合、私が運転することにしている。そもそも、妻が運転する目的は、日常の買い物がメインであるため、その目的を達成すれば良く、目的外の使用については、現時点で必要としていない。
「上達したら褒める」では、人間には適応能力が備わっており、いくら自信がなくても、徐々に上達していくものだ。事実、妻の運転も安心して乗れるようになった。
褒めれば自信につながるし、恐怖心も和らいでいく。
以上、今後はしっかり恐怖・恐れから距離をとり、安全・安心な生活を送りたいと思う。
愛妻家という名に恥じぬように。
今の気持ちを忘れないためにココに綴る
愛妻家(愛saika)
参考文献:
「感情」の解剖図鑑(認知科学者 苫米地英人)
感情の哲学入門講義(哲学博士 源河亨)
ネットリサーチ「ディムスドライブ」